交換日記の友
音信普通になっている高校時代の友人がいる。
今思えば少し個性的なタイプの女の子だったと思う。
当時はお気に入りの海外バンドの話で盛り上がり
その音楽性について、80年代のJKなりに熱く語りあったのだった。
LINEなんてなかったあの時代だから、固定電話で2時間ぐらいおしゃべりしたり。
交換日記(今や死語だよね)なんぞもしていた。
あの頃は一番仲が良くて気の合う親友だと思っていた。
大胆かつ積極的なところもある彼女は、20代になると交友範囲も広くなり、
私には少し遠い存在になった。
短大を卒業して就職した後、日本の企業での仕事に向いていなかったのか、
20代後半に友人はアメリカに行きあちらで仕事に就き、結婚。
お相手は日系米国人で、見た目は日本人だけれど中身はアメリカンな人。
子供が生まれて日本に遊びに来た時に、仲良し同級生グループと集まったのが最後。
30代前半だったと思う。その後は連絡がとれなくなった。
連絡を待ってみたい
50代になり、何年振りかに話してみたいこと、伝えたいこともある。
連絡をとろうと思ったけれど、メールアドレスも携帯番号も知らない。
仲良しグループでも誰一人彼女の連絡先を知らなかった。
多分、今もアメリカに住んでいるのだと思う。
大手SNSでは見つけることはできなかったけれど、
米国にはなかなかすごい個人のデータベースがあり
その中で見つけることができた。住所と電話番号がわかった。
久々にエアメール(これももはや死語か)してみようかとも思ったけれど、
もしかすると、彼女には連絡をとりたくない理由があるのかもしれない。
言いたいことがある時は自分から連絡してくるタイプだし。
わざわざネットでつきとめた住所に手紙を送りつけるなんて
やめておいた方がいいか。
だから私はある日突然「元気~?」と
彼女から連絡が来るのを密かに待ってみることにした。
といっても、向こうも私のSNSを特定したりはできないだろうし、
メールアドレスも知らないと思うけど。
唯一変わっていない私の実家の住所がある。
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